紫式部の邸宅跡である廬山寺では、NHK大河ドラマ「光る君へ」効果もあり多くの方が参拝されていますね。実は、その廬山寺の北隣にある清浄華院でも、新しく「光る君へ」関連の御朱印が出されたというので行ってみました!
1.「光る君へ」に合わせ特別御朱印が出される♪
清浄華院は浄土宗八大総本山の1つで、紫式部の邸宅跡である廬山寺の北にあります。
お隣の廬山寺はNHK大河ドラマ「光る君へ」に合わせていろいろなイベントをされていますが、清浄華院も藤原道長が建立した法成寺とのご縁があり、「光る君へ」ゆかりの特別御朱印を授与されることになりました。
解説は実際にいただいた御朱印のところに入れますね。
これら2つの特別御朱印は今年12月まで授与されるそうです。
詳しくは清浄華院さんのサイトにてご確認ください。
2.法成寺とは?
この章では法成寺の歴史についてや、今回御朱印を授与される清浄華院、そして隣接する紫式部ゆかりの廬山寺との関係についてわかりやすく簡単に解説します。
清浄華院でいただいた御朱印と、法成寺の礎石について先に見たい方は、次の章を見てくださいね!
①歴史
法成寺は藤原道長が寛仁3(1019)年に出家したときに建てられたお寺で、宇治の平等院のモデルと言われています。建立後、道長はここに亡くなるまで居住したということです。その後もこのお寺は繫栄しましたが、その後14世紀前半には荒廃してしまいました。「徒然草」には荒れ果てた法成寺のありさまが書かれています。
法成寺には娘の彰子(上東門院)が建てた東北院という堂舎があったのですが、天喜6年(1058年)に焼失した時、左京区浄土寺真如町に移転・再建されました。これは今でも現存しています。
法成寺のあった場所は、西は京都御苑の東側の筋、東は河原町通よりさらに東、府立医科大学病院の中に食い込み、北は京都御苑清和院御門の北あたり、南は荒神口通とされています。さすが藤原道長が建立しただけあって、かなりな広さとなっていますね。現代の地図と重ね合わせて見られる「平安京オーバーレイマップ」というのがあるので、是非広さを実感してみてください。
②清浄華院と「法成寺・廬山寺」との関わり
・清浄華院と法成寺
法成寺は今はもう姿もないお寺であることから、存在を証明するような遺構も発見されなかったのですが、いくつかの法成寺のものらしき埋蔵物は出土しています。
令和3年(2021年)、東桜町のある工事現場から法成寺のものらしき礎石、大日如来の石仏と石造物が見つかったそうです。関係者が法成寺の遺物ではないかということで、供養のため清浄華院に持ち込まれ、その後保存されることになりました。
ここで清浄華院と法成寺にはご縁が結ばれ、清浄華院ではゆかりの御朱印が出されることになったのですね。
・清浄華院と廬山寺
清浄華院と廬山寺は南北隣り合わせに建っているお寺です。また、廬山寺は紫式部の邸宅跡であり、清浄華院も法成寺とのご縁が生まれました。廬山寺と清浄華院は平安の文化でつながっているお寺ともいえそうです。
平安時代には法成寺と廬山寺がすぐ近くにあったことから、この地域は紫式部や藤原道長が行き来したところには違いないことがわかります。当時の様子を思い浮かべながら参拝するのも楽しいですね。
3.実際に御朱印をいただいてきた!
さていよいよ御朱印を清浄華院でいただいた日の様子をお伝えしましょう。
①特別御朱印をいただく。
御朱印をいただける場所は寺務所の受付で、正門からまっすぐ奥へ行き突き当たったところにあります。清浄華院の境内図はこちら。
御朱印はパンフレットとともに、このような袋に入ってました。
いただいたのはこの2枚。志納料は1枚500円です。
・左側は藤原道長の歌の入った御朱印。
この世をば 我が世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思へば
~この世で自分の思うようにならないものはない。満月に賭けたところが無いくらい満ち足りている~
道長の三女、威子が後一条天皇の后となった日に読まれた歌でした。
・右側は藤原俊成の歌入り御朱印です。俊成は道長の玄孫(孫の孫)にあたる歌の名手であり、京都におられる冷泉家の始祖となっている方です。
ふりにけり むかしを知らば さくら花 ちりの末をも あはれとはみよ
~いにしえの全盛を知るであろう古い桜よ、道長の子孫である私をも憐れと思って美しい花を咲かせて見せておくれ~
俊成が法成寺に咲く桜を見て金堂前で詠んだ歌だそうです。俊成は道長の孫の孫にあたります。俊成の頃、法成寺はすでに金堂やわずかな建物しか残っていなかったということなので、時の流れの栄枯盛衰を感じさせる歌となっていますね。
②法成寺の礎石
法成寺は現存しないお寺で、範囲はわかっているものの遺物もほとんどない幻のお寺となっています。しかし2.で書いたように、法成寺の遺物が清浄華院に保存されているということで見てきました♪
寺務所の右、大方丈前に近づくとありました!
礎石がとても大きく、巨大な伽藍であったことが想像できますね!
4.アクセス・SNS
清浄華院はこちらです。廬山寺の北で、寺町通に面しています。道路が狭く車の行き来が多いので気を付けてくださいね。
清浄華院 X(Twitter)
5.まとめ
①「光る君へ」に合わせ特別御朱印が授与される♪
・藤原道長が建立した法成寺の跡地の一部に建っている清浄華院で、「光る君へ」に合わせ、藤原道長と藤原俊成の歌が書かれた特別な御朱印が授与されることになりました。
・御朱印は今年(2024年)12月までの授与となっています。
②法成寺とは?
・歴史
藤原道長が出家した寛仁3(1019)年に建立されその後も繁栄していましたが、13世紀後半に荒廃してしまいました。
・清浄華院と「法成寺・廬山寺」との関係
法成寺の遺物である礎石や石仏などが清浄華院で保存されるようになりご縁が結ばれました。
廬山寺は紫式部の邸宅跡であり、隣接しているだけでなく、ともに平安時代のストーリーを持つお寺としてのご縁が生まれたと言えるでしょう。
③実際に御朱印をいただいてきた!
・特別御朱印をいただく。
藤原道長と藤原俊成が詠んだ歌が書かれた2体の御朱印をいただきました。藤原氏の栄華と法成寺の没落を感じることができました。
・法成寺の礎石
幻の寺・法成寺ですが、保存されている実際の遺物を見ることができて、お寺を実感することができました。
清浄華院の境内には他にもいろいろとありましたが、また別の巡礼などでご紹介したいと思っています。御朱印収集のお役に立てると嬉しいです。
*2024年4月9日 実際に御朱印をいただいて来たので、御朱印と清浄華院のご紹介を加筆しました。
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