京都のオーバーツーリズムが言われて久しいですが、本当にたくさんの方が京都の観光に来られてますね♪
いろんなお寺を回ったけど、すっごい人だったよ。静かだったらもっと雰囲気があって良かったのに。
そしたら、静かにお詣りできて、厳かな雰囲気を楽しめて、美味しいお菓子を食べられる今宮神社さんはどうえ?
今宮神社は、静かにゆっくりとお詣りできる神社の1つです。京都市内で名前が通っているわりに人が少ないんです。
そこで今回は今宮神社の魅力3選と、ここはお詣りしておきたい、というおすすめのお社・ご利益6選をご紹介したいと思います。
その前に少し今宮神社のご祭神についてご紹介しておきますね。
ご祭神は祇園祭で有名な八坂神社と同じ、素戔嗚尊ファミリー♪
奇稲田姫命 | 素戔嗚尊の奥さん |
大己貴命 | 素戔嗚尊の息子・大国主命ともいう |
事代主命 | 大己貴命の息子・素戔嗚尊の孫 |
そしてファミリーの長、素戔嗚尊はどこにおられるのかというと、本社左横の疫社に祀られています。
1000年前、船岡山から下りて来られたとき、改めて疫神として勧請された(招かれた)のでした♪
1.今宮神社の魅力3選!
①紫式部・藤原道長が生きた時代に創建されたという歴史の重み。
今宮神社の由来は、一条天皇の御代・正暦5年(994年)、疫病退散祈願のため「紫野御霊会」として疫神を船岡山に祀ったのが始まりなのですが、まもなく長保3年(1001年)に船岡山から現在の地に降ろされ創建されました。
境内の中には、今も千年前の空気が残っているような歴史の重みが感じられるようです。
ちょうどその時期は一条天皇の御代、紫式部も藤原道長も生きていました。2人とも今宮神社が建てられた時を知っていたでしょう。またここは、紫式部が産湯に使った井戸があるという大徳寺真珠庵(map)にも近く、できたばかりの今宮神社にお詣りに来ていた可能性はかなり高いのではないでしょうか。
そんなことを思い描きながらお詣りしていると、本当に千年の昔にいるような錯覚を覚えるような神社なのです。これは来ていただいたらわかると思います。
歴史の重みが美しく、神々しいて思えるのんえ。
②あえて人を集めないことで保たれている静けさ。
今宮神社では、他の神社と同じく神事が執り行われているのですが、その他イベントを積極的に増やし人を集めるような活動はほぼされていないので、祭事があるとき以外は非常に静かです。
そんな神聖で心洗われる雰囲気の中でお詣りができる今宮神社は、混雑した観光地から離れ静けさに浸れる貴重なロケーションだと思います。
最近始まったお祭やイベントもなくはないのですが、こういったものは「氏子やご奉仕する人たちの中のみで行い公開をしない」というスタンスを徹底して貫かれています。
もちろん積極的にイベントをされる神社さんはすごいと思てます。にぎやかな神社さんも私は好きえ♪
神社でよくある結婚式も、原則氏子さんか今宮さんに関わりのある方しか受けておられません。なので、境内で新郎新婦を見る機会は少ないと思われます。
よって、観光のみで来る方というよりお詣りメインの方が多く、静かな雰囲気が保たれていると言えます。また、普段からお詣りの人はそれほど多くなく、混雑することはありません。ただ、お詣りの人数は、コロナ禍の数年間もそれ以前と変わりない数だったそうです。
ものすごう信仰してる人らは、コロナも関係なしにお詣りに来たはったていうことやな。それもきっと千年続いてることなんかも。
③千年の間、今宮神社を崇敬されているあぶり餅屋さんの熱い思い。
あぶり餅屋2店(一和さん、かざりやさん)については、ひょっとしたら今宮神社より知っている人が多いかもしれないですね♪ どちらも今宮神社の境内の中で営業されていて、心から今宮さんを崇敬されています。
古い方のお店、一和(一文字屋和輔)さんは長保2年(1000年)創業の超老舗です。あぶり餅は疫病除けの神・今宮神社さんへお供えされたお餅を使っていたというので、あぶり餅を食べればご利益がいただけるのかもしれませんね!
そしてこちらもちょうど紫式部や藤原道長が生きていた時代に始まったお店。きっときっと、2人はこの時代に流行った疫病を除けるためあぶり餅を食べたに違いありません!!
下々で流行りたる「あぶり餅」なるものを持ちてまいれ!
2軒とも、お店の営業は常に今宮さんへの信仰とともにあると考え、大きく発展させたりイベントを打ったりはされていません。
「今宮さんのおかげでずっと商売させてもろてます。ありがたいことです。」
千年も続くそういった姿勢があるからこそ昔ながらの風情が保てていると言えますし、今宮神社の雰囲気をさらに良くしていると思うのです。
ただ一つ残念なのは、あぶり餅屋さんだけ行って、今宮神社にお詣りせず帰る方が多いことです。よって、「境内はガラガラであぶり餅屋さんにのみ長蛇の列ができる」という傾向はあるようですね。
あぶり餅は、できたらお詣りが済んでから食べてほしいなぁて思うのやけど、団体観光客の人らは時間がなさそうでちょっとお気の毒やわ💦
2.ここだけはお詣りしておきたいお社・強力なご利益6選!
今宮神社の中はそんなに広くないけど、たくさんのお社が並んでて、どこからお詣りしたらいいかわからないよ。時間も限られてるし全部行けないよね。どんなご利益があるのかもよくわからないし。
そしたら、ご利益別にお社を紹介してみよか~ 有名な神占いもあるし、強力なご利益にあやかれるかもしれんえ!
では本社から近い順番にご利益別に説明しましょう。時間の無い方はここから選んでもいいですね♪
説明するご利益は以下の通りで、その後個別に説明します。
ご利益 | お社 |
---|---|
健康長寿・良縁開運 | 本社 |
病気平癒 | 疫社 |
健康の回復・願い事成就 | 阿呆賢さん |
技芸上達・〇〇成就? | 織姫社 |
子授け | 若宮社 |
道や美を司る・〇〇除け?! | 宗像社 |
①健康長寿・良縁開運 ~本社(3柱)~
今宮神社の本社の神様をもう一度紹介すると、
大己貴命・事代主命・奇稲田姫命
の3柱となります。
ご利益は「健康長寿・良縁開運」となっています。
「健康長寿」は疫病除けから始まった神社さんなので自然な流れですが、「良縁開運」はどこから来ているのでしょうか?
それは今宮さんが5代将軍綱吉の母・お玉さんが信仰したお社であることと深い関係があります。お玉さんはここ西陣の出身で、今宮さんを信仰し、お社やお神輿などの寄進もしたそうです。
お玉さんが八百屋の娘から将軍の母という高い身分に上がれたということにあやかって、「玉の輿に乗れる=良縁開運」というご利益が生まれたのでしょう。今宮祭還幸祭では、近年「玉の輿神輿」が出るようになり、今もお玉さんの存在が大きく残っていると言えますね。
②病気平癒 ~疫社えやみしゃ~
疫社のご祭神は素戔嗚尊、ある時は疫病を広め、ある時は退けることができる、という疫神です。もちろん人間は、その強力な力を疫病除けに使っていただくよう神様にお願いするわけです。
疫社は本社の3神より前、平安遷都より前にこの地にあった古いお社です。この地から船岡山へ、そしてまたこの地に戻って来られました。
古の世から疫病が流行るたびに天皇から庶民にわたるまで信仰された神様です。本社にお詣りされたら疫社はお隣、是非こちらもお詣りをどうぞ♪
③健康の回復・願い事成就 ~阿呆賢あほかしさん~
これは有名な神占いの石で、他の神社にもある「おもかる石」なのですが、こちらでは「阿呆賢さん」と呼ばれています。「あほ」と「かしこ」をくっつけた言い方で、おまけにご丁寧に「さん」まで付けて、いかにも京都らしい言い方だなと思いますね♪
占い方は以下のようにします。
1度目は3回石を叩いて持ち上げる。すると重く感じられる。
2度目には、願い事を込めて3回撫でてから持ち上げる。
2度目が軽くなれば願いがかなえられる。
というものです。
叩いてから撫でるなんて、石もいろんな目に遭わされてますが、これは他所にもある「おもかる石」と同じ占い方と言っていいでしょう。
しかしまた1つ、こちらのには特別なご利益があるのです。
今宮神社のサイトには「健康の回復」というご利益が上げられていました。
この阿呆賢さんは古くから「神占石(かみうらいし)」とも云われ、病弱な者はこの石に心を込めて、病気平癒を祈り、軽く手で撫で身体の悪きところを摩れば、健康の回復を早める。
今宮神社HP-境内ー
疫病退散の神社だけに、もともとはこちらがメインだったのかわかりませんが、健康の回復をお願いしたい方は①②に参拝のあと、こちらにも是非来ていただきたいですね!
④技芸上達・〇〇成就?! ~織姫社~
織姫社は、疫社の左にある比較的大きな摂社です。
両横にある献燈碑は、機を織る時に横糸を渡す杼の形をしています。
碑の前には柵があり、このお社を建てたときに寄進をした方のお商売の種類(帯とかお召とか、要は西陣織)と名前がずらっと並んでいます。
ずーっと見てると必ず1人や2人、知ってる人の名前を見つけるのが西陣あるあるかもしれんなぁ(笑)
祭神は「栲幡千千姫命(たくはたちぢひめのみこと)」で、ちょっと舌を噛みそうなお名前ですが、機織りの神様なんですよ。あの七夕の織姫に機織りを教えたという「先生」のような神様なので、機織りはもちろん、いろんなものづくりなどをしている方がその上達を願ってお詣りされます。
織姫守というお守りもあるので社務所で聞いてみてくださいね♪
もともとは西陣を作った大舎人座の守り神だったと思われるのですが、西陣の産土神となった今宮神社にいつからかお祀りされるようになりました。
この織姫社、最近は七夕伝説の影響なのか、織姫と牽牛のように縁結びを願う方もあるとか。千年以上機織りを続けてきた集団が祈る神様は、想像以上の力を持っておられるのかもしれませんね!
本社の玉の輿祈願+織姫社で縁結びを祈ってみる?!
⑤子授け ~若宮社~
阿呆賢さん右の石畳を進んでいくと、突き当たったところにあるのが若宮社です。
建立は元禄時代、前出のお玉さんが作ったお社です。いつからか、子授けのご利益があると言われるようになりました。
今宮神社のHPには、若宮社は3つのお社をまとめられたと書かれています。
中央の若宮社は伊弉那美神・向かって右の加茂斎院は歴代斎王の御霊・左の若宮社は御霊を祀る。
今宮神社HP ー境内・若宮社ー
中央と右は女性(神)をお祀りし、左は薬子の変で処罰された霊を祀られてますが、なぜ子授けのご利益が生まれたのでしょうか?女性の神がおられるからなのかなとも思うのですが、理由としてはちょっと弱いですよね。
そこであくまで私見ですが、もともとあった
「子授けのご利益を得て、お玉さんが綱吉を産んだ」
ことが、このご利益を広める結果となったのではないでしょうか。
町民が将軍を産んだんですから、すごいご利益ですよね~!
⑥道を司る・美を司る・〇〇除け?! ~宗像社~
ほかの摂社から1つだけ離れて建っているのが宗像社です。お隣には手水があって、その東隣にあります。
お玉さんが今宮神社を造営した同じ時に建てられた社殿ということで、非常に古い建物と言えます。
ご祭神は
多紀理姫命
湍津姫命
市杵島姫命
の3柱で、こちらも素戔嗚尊の十握剣から生まれた3姉妹の女神だということです。
するとこの女神様たちは素戔嗚尊の娘さん、てことでいいんですかね? やっぱりファミリー!!
みなさんおしなべて「道を司る」「美を司る」神様なんですよ♪
それで、一番有名なのが末娘の神の市杵島姫命かと。この神様は弁財天と同一視されている神様で、「美を司る・与える」方なんです。
しかし、3柱の女神様は、また別にご利益を持っておられるのです。
神 様 | ご利益 |
---|---|
多紀理姫命 | 焦りをなくし心を鎮める |
湍津姫命 | 迷いを払い決断力を得る |
市杵島姫命 | 己を見つめ直し心を養う |
それぞれ小さなナマズの形をした3種類のお守りがあり、色で分けられています。
→お守りはこちらでどうぞ♪可愛いですよ^^
さてこのお守り、どうして「ナマズ」なのかわかりますか? それは「ナマズ」が弁財天さんのお使いと言われているからなのです。
お社の台座にはナマズの彫り物があって、地震除けをお祈りする方もおられるそうですよ!
以上、6つのご利益別にお詣りするお社解説でした。
他にもたくさんの摂社があるので、ゆっくりできる方は是非こちらでチェックしてお詣りしてくださいね。
今宮さんのサイトのお守りのページは初穂料も書いてないし、ほんまに「そっと」説明してあるだけ。この控えめなとこが私は好きなん。(あ、書いてある神社さんが悪い、ていうことやあらへんえ!)
3.アクセス
今宮神社は京都市内の市街地北部にあります。
大徳寺と並ぶ位置にあるので、大徳寺のイベントなどに合わせて行ってもいいですね♪
住所 | 〒603-8243 京都府京都市北区紫野今宮町21 |
電話番号 | 075-491-0082 |
ウェブサイト | http://www.imamiyajinja.org/ |
4.まとめ
ごく簡単にまとめていきましょう。
①今宮神社の魅力3選
・紫式部・藤原道長が生きた時代に創建された、という歴史の重みを持った神社です。
・あえて人を集めないことで、神聖な静けさが保たれています。
・千年の間、ずっと熱い思いで今宮神社を崇敬されているあぶり餅屋さんが、さらに雰囲気を良くしています。
②ここだけはお詣りしておきたいお社・強力なご利益6選
ご利益 | お社 |
---|---|
健康長寿・良縁開運 | 本社 |
病気平癒 | 疫社 |
健康の回復・願い事成就 | 阿呆賢さん |
技芸上達・恋愛成就? | 織姫社 |
子授け | 若宮社 |
道を司る・美を司る・地震除け?! | 宗像社 |
赤字の部分は、最近言われるようになったご利益・民間信仰に近いものです。
しかし今言われているご利益も、そういうところから始まったものも多いですよね。
なので、また今後も見守って行きたいと思っています♪
今宮神社さんをよりよく知り、お詣りをしたい方のお役に立てば嬉しいです♪
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