2.「~しはる」ではなく「~しゃはる」と言っていた ~今とは違う表記・発音だった言葉がある~
さてここからは、じっくり耳を澄まして(?)読んでいただきましょう。小さな音を聞き分けてもらわないといけないのです。
京ことばとしてよく耳にする「~はる」という言葉。これも昔と今では微妙な違いがあるのをご存じでしょうか?
「しはる」という言葉を例に説明しましょう。
「~する」のあとに丁寧語・尊敬語の「~はる」をくっつけると、単純に書くとこうなりますね。
しはる
これを現代ではこのまま表記し、また実際に多くの人が「し」+「は」+「る」と発音します。
しかし昭和の世代の人たちはちょっと違うんですよねぇ。今なら70代以上の人たちでしょうか。
こんな感じですね。
しゃはる
細かな違いですが、これ結構気にして聞いていれば、違いがわかると思います。
これも分解してみると、間に「や」が入ってますよね。
し+や+はる
でも、この「や」をしっかり発音するととっても言いにくいので、小さい「ゃ」で言うのです。すると
しゃはる
となります。実際、年配の人の発音を聞くと、多くの人が小さい「ゃ」を入れてますね(中には大きい「や」のまま発音する人もいます)。
ではなぜこの「や」が入るのか?これは私見ですが、「しはる」では
・「し」がとてもきつい発音に聞こえる。
・「イ音」を出すときに強く口を左右に引かないといけない。
・「イ音」の次の音が「h」なのでとても言いづらい。
・「イ音」の次の音が「ア音」なので変化が大きく言いづらい。
という傾向があるため、楽に発音できて、京ことばらしくやさしく響かせられるように、間に「や」が入るようになったのではないかなと。
また、私は「上一段・下一段・カ変・サ変活用」の動詞はみなそのように話されているのを聞いてきました。
見る+はる → 見やはる
着る+はる → 着やはる
ただ、「来る」だけは連用形の「来(き)」に「やはる」がついて
きゃはる
と皆さん発音されます。理由は全くわかりませんが、この言い方をする人はほぼ間違いなく昔風の京ことばをしゃべっている人たちです。
しかし、今は時短の時代。少しでも短縮して話ができるように「や」を省略する方向に行ってるのでしょう。
私は言語の研究をしているわけでも言語学者でもないので、論理的に説明するというよりは、私が身の回りで聞いてきた言葉についての現状と感想をそのまま書いています。よって詳しい言語学的な説明はしかねますのでその辺はご容赦をm(_ _)m むしろそのような研究をされている方の資料になればいいなと思っています♪



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