「洛陽四十八願所」の第三十四願は「上徳寺」です。また、回る順番は第三十五願・蓮光寺に続き36番目となっています。
巡礼を回る順番と四十八願の「願」の数はお寺によって違うことがあります。回る順番は、巡礼を行いやすいように地理的に近いところを次にすることがあって、「願」の番号とは順番が変わってしまったりするのです。今回は「願」ではなく、巡礼を回る順番通り並べていきますのでご注意ください!
巡礼「洛陽四十八願所」について知りたい方はこちらでどうぞ。
1.第三十四願 上徳寺について
宗 派 浄土宗
寺院名 塩竈山 雲光院 上徳寺
所在地 〒600-8119 京都市下京区富小路通五条下ル本塩竈町556
本 尊 阿弥陀如来
御朱印 有(イベント時のみ?)
サイト等 参考:京都観光Navi「上徳寺」・JR東海「そうだ京都、行こう」
①歴史
ここは平安時代、嵯峨天皇の皇子で臣籍降下した源融の屋敷(河原院)があった場所です。光源氏のモデルとも言われた源融は赴任した陸奥国・塩竃(現仙台市内)を再現しようと、都に帰って来た時、なんと海水を庭園に持ち込ませてそこで藻塩を焼いたそうです*。
*古代の塩の作り方に、海藻に海水をかけてできた結晶を煮詰めるなどする方法があり、それを「藻塩を焼く」と言います。
上徳寺は慶長8年(1603年)、阿茶局の叔父・伝誉一阿が開山で、家康と側室阿茶の局により2人の間に生まれ幼くして亡くなった子(泰栄院)のために建てられました。墓地に阿茶の局・泰栄院のお墓があります。
天明・元治の大火で元の建物はすべて焼失してしまい、明治時代に永観堂祖師堂を移築したものが現在の本堂となっています。
豊臣秀吉の都市計画でお寺がここに移されて以来「下寺町」と呼ばれた土地でしたが、明治になってからは、上記のような由緒があることから「塩竃町」と呼ぶことになったようです。また、上徳寺の山号も「塩竃山」と名付けられています。
②仏像・墓など
本尊の阿弥陀如来さんは蓮光寺・本覚寺に続き、こちらも快慶の作(鎌倉時代・13世紀前半)と言われています。縁起を記す立て札には、「家康が江州矢橋の鞭崎八幡宮より移した」と書かれています。
後鳥羽天皇のころ、木曽義仲が江州矢橋に進軍して住民が困ったそうです。心配した国主が八幡宮に祈ると夢に現れて、西方浄土の仏を作るように告げたそうです。それを伝えられた快慶が作ったのがこの阿弥陀様でした。そんな由緒ある仏様を家康がこちらに勧請したわけです。
この阿弥陀様、他の阿弥陀様と違うところが多いそうです。挙げてみると
・衣を片方の肩に掛けるのが多いがこれは両肩に掛けている。
・螺髪は彫り出さず1つずつ釘で留めている。
・手のあげ方が左右逆。
・唇に水晶をはめてある(グロスが塗られているみたい)。
などがあります。
よく見て一つずつ確かめてみたいですね♪
写真は撮っていませんが、アップを見たい方は「京都市文化観光資源保護財団」のサイトにありますのでご覧くださいね。

そしてお寺を建てた阿茶の局のお墓もあるそうですが、今回はお参りはしませんでしたm(_ _)m
2.いざお参り!
今回も回る順番と願の数が合っていません。南から順に回ってきて、北にある第三十三願・本覚寺に行けるように順番を変えていますね。
上徳寺は目印があり、とても分かりやすいです。


①本堂で阿弥陀様のお参り、をしようと思ったら…
さて、入ってすぐに見えるのがご本尊の阿弥陀様がおられる本堂。本堂は左から入るようです。

なんと今回は本堂内も撮影可!

お、家康・秀忠、そして阿茶局の絵姿が!

すると、仏様の写真が正面のところに立てかけてあるのに気が付きました!

なんと、今ご本尊様は京都国立博物館で開催されている「法然と極楽浄土」で展示されているそうです^^; …それで本堂内の撮影が許可されたのかな??
参拝しているときはご本尊が見えず「御前立」だけで、「普段も開けてないのかな?」とか思って、目の前のパネルに気が付きませんでした…
m(_ _)m

「御前立」はホンマのご本尊の前に安置されてる小さい仏さんのこと。ご本尊は扉の向こうにいやはることも多いえ!
②赤ちゃんが欲しい方がお参りにくる世継地蔵も♪
境内の奥の方には、赤ちゃんが欲しい人が来られる世継地蔵がありました。


良い世継が授かるということで多くの人がお参りに来られます。毎年2月8日に「世継地蔵尊大祭」が行われ、この日に行くと一億日分もの功徳が得られるそうです。10時より「十種福祈願法会」、14時より「柴燈護摩供養」があります。赤ちゃんが欲しい方、是非こちらへ♪
赤ちゃん以外にも幅広くお願い事を聞いてくださるということだったので、私もお参りしてきました♪
2月8日の「世継地蔵尊大祭」の様子を見たい方はこちらから。
・観光寺院でない普段から人の出入りがほとんどないお寺の場合、出入り自由のイベント以外では必ずお電話で許可を得てください(断られることもあります)。
・御朱印をいただく仏様を必ずお参りください。
・境内の写真はお寺さんに許可をいただいてから撮ってください(仏像は信仰対象なので撮影不可が多いです)。
おまけ:外国の方が英語で茶道体験できる「寿庵」がある!
この客殿は通常非公開ですが、上徳寺は以前より外国人に英語で茶道体験をしていただく『Tea Ceremony Ju-An』の会場となっていて、その際にはこの客殿でこの庭園を眺めながら茶道体験をしていただいているとか。そのような体験の場を探している方はぜひ利用してみて!
*お庭と茶道体験については日本庭園紹介のサイトとして有名な「おにわさん」から情報をいただきました!
3.御朱印

「大慈殿」世継地蔵さんのおられるところでしょうか。1体500円です。手書きでいただきました。
阿弥陀様のお参りとしては、もう一度いただき直しをしたほうが良いかもしれません。ちゃんと言えばよかったですね。
どちらにしても、またご本尊がお帰りになるのを待って、もう一度お参りに行こうと思います。
4.阿弥陀如来の誓願
阿弥陀如来の誓願の34番目です。
成仏したなら、あらゆる世界の衆生が自分の名号(阿弥陀仏)を聞いて、あらゆるものが不生不滅であると確信する智慧(無生法忍)と仏法を記憶して忘れない能力(深総持)を得るようにしたい、という願。
参考:新纂浄土宗辞典
意味を解説せよと言われても難しいのですがw、「あらゆるものが不生不滅であると確信する」というところが肝でしょうか。。
5.上徳寺への道のり
*地図が見えにくい時は地図上をクリックしてください。
住所表記は「京都市下京区富小路通五条下ル本塩竈町556」。
富小路通りに面し、五条通から南に下がったところにあります。本覚寺の斜め向かい、向かいの少し南となります。
→京都の住所表記法については「第一願 聖徳寺」の京都の住所表記についてへ
次は37番目、第三十三願の本覚寺です。
上徳寺の前はこちら。






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