2025年7月に大災害が起きるという噂、耳にしたことはありますか?どうやらこの本が情報元となっているようですね。
煽るために出されたわけではなくて、実際にそういう予知夢を見たということを書かれているようです。この本は再編集された本で、「最初に出版された本に書かれていた夢が東日本大震災を予知した」ということで話題になったのでした。

「大災害は2025年7月5日4時18分に起きる」と詳しい日時まで書いてる本もあるね。
しかしYouTubeなどの関連動画も増えてきていますし、香港では実際に日本への旅行と取りやめる人も続出するという、「単なる予想」を超える状況になっています。ちょっと問題ですよね。

旅行会社さんやらは気の毒やなぁて思うのやけどなぁ…
とはいえ、南海トラフ地震の発生確率が高まっている今、私たちが「いつ」「どこで」地震に遭遇しても不思議ではありません。
では、京都の場合はどうでしょう?

京都はなぁ、地盤が強いから大丈夫なんや!

京都で大地震とか、聞いたことないわ!
「京都には大地震なんて起きない」――私も小さい頃から何度も聞いてきた言葉なのですが、こうした考えが市民の間に今も根強くあるのは事実です。しかし、本当にそうなのでしょうか?
そこで今回は
・京都に大地震が来るのか?
・京都の大地震が起こった時の特徴的な災害。
・もし京都で大地震が起きたら、どう動けばよいのか?
という点について解説したいと思います。
そしてこの記事は
・普段京都に住んでいるけど、あまり地震について考えていない方。
・京都に観光に来ることが多いが、地震に遭う想定を考えたことがない方。
・京都で地震に遭うこともあるだろうと思いながら、まぁどうにかなるだろうと思っている方。
に読んでいただくととても役に立つと思います♪
ちょっと頭の片隅に置いておくだけでも、もし何かあった時に慌てなくても済むので是非読んでいただきたいです!
*京都で大災害の時に役立つリンク集はこちら↓
1.京都に大地震は来るの?
①「京都に大地震は起きない」伝説は本当?
京都ではなぜか「大地震は起きない」と思っている人が多く見られます。理由は単純で、ここ180年間、大きな地震を経験していないからです。
けれども、これはあくまで「たまたま」。実際には歴史をさかのぼれば、827年に起こった地震以来、京都には10回以上震度6レベルの大地震の記録が残っているのです!
今生きている人はだれも京都発の大地震を経験していないだけ。なので、大地震が京都にいつ起こってもおかしくないのです。京都に地震がおこらない、被害はない、というのは都市伝説のようなものと言えるでしょう。
②予想される震度6レベルの地震とは?
ということは、今後も京都に震度6以上の地震が起こる可能性は大ということです。さらに現在、予想される2つの地震リスクが指摘されているのです。
・南海トラフ地震
・京都直下型地震
そのうち、「京都直下型地震」には京都市に影響を及ぼす断層が数多くあり、京都市が発表しているハザードマップにはなんと9つの断層で起こる地震の想定がされています!

全部がすぐに起こるわけじゃないだろうけど、起こったら怖い地震ばかりだね(泣)
しかも、この南海トラフ地震の前後に直下型地震が起こる可能性が高いとされています。ということは、最悪の場合、連続して起こる可能性もなきにしもあらず、ということになりますね!オソロシイ…
もし起こったらパニック状態になるのは間違いないと思われます。
脅かしてしまいましたが、大地震はいつか必ず起きます。その時のためにいろいろな想定をしておくことはとても大事なことと言えるでしょう。
2.京都で地震が起こった時の特徴的な被害
京都で震度6強レベルの地震が起こったら、やはり間違いなく被害はあると考えられます。また京都は歴史都市であり、地質面でも特徴があります。そこで、それらをふまえて、京都に起こる地震の特徴的な被害について説明をしてみましょう。
① 古い木造家屋(京町家)の倒壊
京都は第二次世界大戦中に大空襲を免れたこともあり、今もなお多くの古い木造住宅が残っています。これらの家屋が倒壊するリスクは非常に高いです。
この古い木造住宅の多くは京町家と呼ばれているものです。風致地区のように景観が保たれているようなところの町家は、とても手入れがされていて美しいですよね。しかし一方で、住民が昔から住む街中の密集地帯には細い道路に町家がひしめき合っているところがあります。

そういうところでは、なかなか耐震工事などが進まず、見るからに「これは危ない!」と思うような家もあるのです。瓦も重く、揺れを吸収してくれる土壁も劣化していては大きな地震には到底耐えられないでしょう。

うちの町家も阪神淡路大震災の時にちょっと傾いてしもたし、ホンマ心配なん。
②寺社仏閣の被害
1)老朽化している場合も多い!
京都の古い建築物というのは京町家だけではありません。よく「五重塔は耐震構造で倒れない」と言われますが、だからといって他のお寺・神社の建物がすべて安全とは限りません。江戸時代以前の建物が多い京都では、実際には傾きや老朽化が進んでいる建物も多く、文化財の損傷も大きな課題です。
しかし古来からの文化財である寺社仏閣は、改修時も古い工法を引き継いで直さなければいけません。工法の高い技術で重いままの屋根でも大丈夫な場合もありますが、持ちこたえられない建築物もきっとあると思われますこの被害の部分が、観光客や寺社の関係者の方たちに及ばないことを祈るばかりです。
2)古い工法で耐震性能があるものも♪
ネガティブな話ばかりなので、2点良いお話もしておきましょう。
1つ目は古い工法の利点です。
「瓦土塀」という、瓦が埋め込んである土塀をお寺で見かけることがありますが、とってもきれいですよね♪大徳寺や西陣の本隆寺の土塀は写真に撮っていく人も少なくありません。

あれは景観としても素晴らしいと思いますが、一方で土塀の耐久性を強めているのだそうです。強度を高め、雨水による浸食を防ぎます。なんでもですが、物は劣化すると崩れやすくなります。大きな土塀が崩れたら大変、そうならないように昔からの工法も役に立っているのだなと思いました。
2つ目は耐震工事の開始です。
京都の寺社も耐震工事が徐々にですが始まっています。
2024年から伏見稲荷大社の大鳥居に大規模な耐震工事が行われ、今年2025年に完成しました。また平安神宮も2024年より2030年にわたり順次耐震工事を行うことになっています。大地震が起こる前にできるだけたくさんの寺社が補強されるといいですね!
③大規模火災の発生
また、京都の中心部は特に木造住宅が密集し、さらに「ろうじ」と呼ばれる袋小路のような道が多いため、消火活動が遅れ、大規模火災につながる恐れがあります。
さらにろうじは道が狭く、古いものだと入り口に屋根がついていたりしていると、それが地震の時に落ちる可能性もあります。

ろうじの出入り口の家が潰れたりしたら、もう外へは出られへんわ(笑ってたらダメ)
④住民だけでなく観光客も被害に
京都は国内外から多くの観光客が訪れる都市。地震が発生すれば、住民と観光客の両方が被災することになります。
京都には多くの観光客が常にやってきているため、大地震が起きた時、観光客がが被害に巻き込まれることは避けられないのです。
しかも清水寺や嵐山には本当にたくさんの人がいて、その人たちが京都から帰れなくなる可能性は非常に高くなるでしょう。また、京都には細い道が多く、そのようなところで被災すると、おそらくもう今どこにいるのかわからなくなると思うのです。
ちょっと1口食べられるものがあると安心かも。普段から1つ入れておくとgood♪ 5年保存可。
3.地震発生後「住民・観光客」別避難シュミレーション
前章のような京都の災害状況を踏まえ、住民と観光客の避難がどのようになるかを考えてみましょう。
ここでは予想される地震災害のパターンを例示していますが、地震がどのような災害を引き起こすのかはその時の状況によって大きく変わっていきます。よって、避難行動が必ずしもこうなると限らないことはご了承ください。ただ、京都で地震が起こった場合、住民と観光客を分けて考えることをお互いが知っておくことは、トラブル回避のために大変重要なことと思います。
ではそれぞれの立場での避難行動を例示してみましょう。
①住民の場合(自宅にいる時被災)
住民が自宅にいる時の避難については、いつもの避難訓練の通り行うとこのようになります。
A)地震が収まったら、火事の心配がないか確認。
・万が一火が出た場合は町内に設置の消火器や水で初期消火をします。
・木造が多い・住宅が密集している京都の街中にとっては非常に重要です。
(ただし、すでに燃え広がっている場合は一刻も早く逃げる!)
B)災害時町内会で決めた集合場所に集まる。
・町別に決められた集合場所に集まります。京都らしくお地蔵さんの前というのも多いですね。
・町内の人たちが全員いるか安否確認をします。行方が分からない人がいたら一定時間探します。
・確認が済めば全員で小学校などの避難場所へ移動します(自宅避難予定の人もまずは行ってみる)。
避難所は自治会や自主防災委員が中心になって運営します。なので、避難所で顔を合わせる人はその場所の学区民ばかりとなります。
そこに京都市の職員さんは来られるでしょうが多くは観光客対応に割かれるため、職員さんをあてにしていたら多分廻っていかなくなると思います。

自分らで運営してくださいと。避難訓練の時、市の方がいつも言うたはることです。
②観光客・住民(出先被災)の場合
一方、観光客の人たち・出先で被災した住民は37万人が帰宅困難者となると想定されています。
帰宅困難者が莫大な数になると、難先がわからず大パニックになる可能性もあるので大変です。
京都市では「京都市帰宅支援サイト」という災害時のサイトを作っています。それに基づき職員さんたちは誘導をするので、それに従うことにするとこんな感じになるでしょうか。
A)観光地近くでは、帰宅困難者ガイドマップを利用して広域避難場所へ向かう。
B)どこに行くかわからなくなったら、宿泊施設や神社やお寺に行って尋ねてみる。
2025年現在、観光客や帰宅困難者の避難所として以下の場所が提携されています*。
・緊急避難広場:一時的な滞留及び災害情報の提供などを行う場所。寺社等50施設と協定締結。
・一時滞在施設:緊急避難広場で滞留している人が休憩・仮眠できる場所。ホテル・旅館等124施設と協定締結。
・避難誘導団体:帰宅困難者を緊急避難広場に誘導し、災害情報の提供などに協力。地域団体等22団体と協定締結。
*京都市防災ポータルサイトより。
避難所には住民中心に避難しているところと観光客を含む帰宅困難者中心のところがあります。
大体小学校は住民が学区ごとに避難している場所となり、ホテルなどの宿泊所や寺社は帰宅困難者を収容するように決められています。
被災したところから一番近いところに行きがちですが、できればネットなどで自分に合ったところに行けるようにしておくと、備蓄品などがスムーズに配布されるなどの対応は行き届くと思われます。

やっぱり、準備と心構えはしといたほうが安心やな♪
以下の記事では、こちらにご紹介した2つの被災者用のリンクの他にもお役立ちリンクを多数ご紹介しています。帰宅困難者マップなどどのように使えばよいかもご提案していますよ♪
京都での地震が起こった時、また準備や心構えのためのリンクをたくさん掲載していますので、合わせて是非ご覧ください!
*防災セットも是非用意しておいていただきたいものです。私の家で用意しているのはこれ。
でもこの下の商品も、1つずつのグッズがよくできていていいかなと思いました。ただ、6月末出荷なので待てない人には上がおすすめです!
4.まとめ
・京都に大地震は来るの?
残念ながら確実にあります。180年大きな地震がなかっただけで、過去には多くの地震が起きていることがわかっているのです。
南海トラフ地震、そして京都直下地震の原因となる大きな断層があり、そのうち9つが動いた時の震度想定がされています。
・京都で地震が起こった時の特徴的な被害
① 古い木造家屋(京町家)が倒壊する。
②寺社仏閣が被害を受ける。
老朽化している場合も多いです。ただし、古い工法でも耐震性能があるものもあります♪
③狭い通りや袋小路が多く、多くの木造家屋が燃えることにより大規模火災が発生する。
④観光都市なので、住民だけでなく観光客も被害に遭う。
・地震発生後「住民・観光客」別避難シュミレーション
①住民の場合(自宅にいる時被災)
地震が収まったら、火事の心配がないか確認。火が出ていたら初期消火の段階なら消火。
燃え広がっていたら逃げる!
町内会で決めた集合場所に集まり、自宅避難にせよ、まずは避難所に町内全員で行く。
②観光客・住民(出先被災)の場合
観光地近くでは、帰宅困難者ガイドマップを利用して広域避難場所へ向かう。
どこに行くかわからなくなったら、宿泊施設や神社やお寺に行って尋ねてみる。
2025年7月に大地震が起きるという予知は、あくまで予知であり予報ではありません。しかし、地震はいつか間違いなくやってきます。大切なのは「備えておくこと」。
この記事を読んで、京都での暮らしや観光を少しでも安心して楽しんでいただけたら幸いです。
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