私のブログではおなじみの塩芳軒さん、今回は水無月のご紹介をいたします。
原材料が違う2種類の水無月ですが、どちらも風味がよくて絶品!1つはイートイン、もう1つは店頭で販売されているのでその場での食べ比べはできませんが、日を置かずいただいてみたのでそのレポートをしたいと思います。
1.イートインでいただく葛製水無月
では、まずはイートイン限定の葛製水無月についてご紹介しましょう。葛製水無月は毎年6月のイートインでいただくことができます。
塩芳軒さんのイートインについては、まずこちらでご確認くださいね♪
①一緒に出るお茶がこだわってる!

すみません、まず、お菓子ではなくお茶の話です^^;
こだわったお茶がどれも優れもので、先にご紹介したいと思います。
お支払いをするところにお茶のメニューが書かれているので見てみましょう。
・お抹茶 柳桜園(新茶)
・冷茶 玉露 一保堂茶舗
・温茶 煎茶 八十八良葉舎
冷たい玉露はきっと水出し玉露でしょうし、それって良いお茶っ葉でないと出ないんですよね。私はいつもお抹茶なんですが、飲んでみたいですね~
それに、温茶で出される「八十八良葉舎」さん、車折神社の近くに本店がある抹茶カフェの人気店ですよね。すごく気になってるんです。これらのお茶、全部いただきたいですね!
②ちょっとした心遣いが嬉しい♪

お部屋に入ってしばらくすると、まずお冷が出てきました。
35度くらいある猛暑日には、これは一番のごちそうです。
これが季節によっては温かいお茶になったり、ちょっと趣向を凝らした飲み物が出てきたりします。もちろんサービスですよ。
③水無月セット登場!
冷たいお水にホッとしていると、はい、出てきましたよ!

美しい白木の台に枌が置かれ、そこに懐紙に乗せられたお菓子たち。
水無月をはじめ、お菓子3点。水無月だけではないんですよね。お得感あります!
そしてお抹茶、水無月の説明書き。説明書はその場で読んでいただくのが良いと思うので、今回は解説しないことにしました。

水無月は葛製。葛なので外郎ほどプルンとはしていません。黒文字でスッと切れます。モチモチとした口当たりにほんのりとした生姜の香り。甘みは控えめで、あっという間に無くなってしまいました。
そして横には「洲浜の茅の輪」と「黒糖干羊羹の瓢」。夏越の祓に合わせた茅の輪、かわいい♪ 夏らしいひょうたんの意匠が季節を告げてくれます。
そしてどちらも美味しい! 気を抜くとダメですね。無意識にパクパク食べてしまいました!

そして見てください!なんと美しく点ててあることでしょう!
泡で一面に覆うのは裏千家ですが、なかなかここまで泡を均等にするのは難しいですよね。しかも点てにくい平茶碗なんです。
何度か行ってますが、いつもこのくらいきれいに点ててあるんですよ。こちらでお抹茶を選ばれたら楽しみにしてくださいね^^
④お菓子とお茶以外も見ておきましょう。


この回は夏越の祓がテーマになっていたので、床の間にも小さな茅の輪がたくさん飾られていました。
また、中庭はいつも素敵なのですが、今回はとっても暑い日だったので、6月に早々とミストが登場していました。光に照らされて幻想的♪ とっても涼しげでした~
2.店頭で買える外郎製水無月
①外郎製は小豆がぎっしり!
さて、こちらは6月後半に店頭で販売される「外郎製水無月」。葛製水無月とは全く違う趣向で作られています。

店頭では、涼し気なガラス製のお皿に乗って気持ちよさそうでしたw
葛製と違って小豆がぎっしりですね。私が小さい頃食べていたおまん屋さんの水無月は、小豆は中に半分埋まってました。葛製のように中に入り込んでたのもありましたね。
今はこれが主流なのかわかりませんが、タイプ的には多いようです。私もこれが大好きです♪

家でカメラマンになったつもりでドアップにして撮ってみました。ちょっと美味しそうに撮れたと思いません(自己満足w)?
②外郎製水無月のお味は…?
さて肝心のお味ですが、葛製の水無月とは全く違う食感、風味で驚きました。生地は外郎なのでプルンとしています。思ったより堅めでした。そして小豆はとってもクリーミーなお味♪
すごくマイルドなんです。初めはほんのりした甘みがきて、かみしめているうちに突然「違う味」がやってくるんです。小豆本来のお味が舌にざらつかずまるでクリームのような舌触りでした。
葛製のは生地を味わっている感じ、外郎製は小豆をいただいている感覚でした。そのためにこれだけぎっしりと乗せてあるのかな?と思わせられました。これは是非両方の食べ比べをしていただきたいですね!
私はあまり京都の外へ出ないのでわからないのですが、今は全国で水無月は販売されているのでしょうか?京都では昔からあちこちにあったおまん屋さんに、特にこの季節はたくさん販売されていました。でも実は、他の季節でもいつも少しは置いてありましたね。季節限定とは言いながらも「定番のお菓子」という位置づけをされているのかもしれません。
3.塩芳軒さんと言えばこのお菓子、というのを1つ。
①「聚楽」という名の持つ意味が深い
水無月とは全く関係ないのですが、塩芳軒さんの「定番のお菓子」ということで、1つご紹介したいお菓子があります。

それは、「聚楽」という焼き菓子です。塩芳軒さんの店頭にはいつも必ずある看板菓子となっています。
「聚楽」とは豊臣秀吉が建造した「聚楽第」から採られています。ちょうどお店のあるあたりに聚楽第はありました。
「聚楽」は「長生不老の楽しみを聚(あつ)める」という意味なのだそうです。とっても縁起のよいお菓子と言えますね♪

塩芳軒さんのお店があるところは「聚楽学区」と呼ばれる区域なんえ。今は統合されて無いけど、この学区の子どもらが行く「聚楽小学校」があったん。
②お値段にいつも驚く!
そして驚くのはこのお値段!この物価高のご時世に1個180円(税込み195円)!ほとんど値上げされてないんです。久しぶりにいただいてビックリしました。


「聚楽」の包み紙には五三の桐の紋が描かれています。これはまさに秀吉の紋ですね。この円形は出土した瓦を表しているのでしょうか?
そしておまんじゅうには「天正」の文字が。「聚楽」をいただくたび、天正年間に秀吉が天下を取り築いた聚楽第が目に浮かぶような気がします。
そしてお味ですが、餡が大変美味しく、外のしっとりとした皮と大変よく合っています。餡は普段使いで楽しめるように、わりとしっかりとした甘みが付けてあり、とても食べ応えがあります。これが200円しないというのが不思議なくらいの美味しさです^^
4.まとめ
・イートインでいただく葛製水無月
水無月セットは水無月だけでなく、複数のお菓子が付いてきてお得感があります。葛製はもっちりとした生地にほのかな生姜風味が美味しいです。おもてなしの心が行き届く素敵な喫茶ができます。
・店頭で買える外郎製水無月
外郎製の水無月は小豆がぎっしりで、小豆のお味がとってもクリーミー♪とても深い味です。
葛製・外郎製どちらも違った美味しさで、是非食べ比べていただきたいです。
・塩芳軒さんと言えばこのお菓子、というのを1つ。
塩芳軒さんの代表菓子とも言われるのが「聚楽」という焼き菓子。秀吉が建造した聚楽第から名前を取ったのは、お店がある地に聚楽第があったからです。
これだけ美味しいお菓子が今もほとんど値段が変わらず195円。名前も縁起が良く、これも塩芳軒さんに行けば外せないお菓子だと思います。
今回は塩芳軒さんで行われる6月のイートインでいただける「葛製水無月」と、同じころ店頭販売される「外郎製水無月」をご紹介しました。
どちらも本当に美味しいので、西陣にお越しの際は是非食べてみてください!
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