今では京都の夏は36度越えが普通になってきました。アイスやかき氷が食べたいところですが、そればかりではお腹を壊してしまいます。
そこで今回は京都らしく和菓子系の「冷やしみたらし」をご紹介したいと思います。
コンビニでも販売されている商品ですが、今回は京都の老舗「鳴海餅本店(以下鳴海餅)」と「セブンイレブン」の比較をしてみました。普通はこの2つ、店の性格として違いがありすぎて、お互い比較する対象ではないかもしれませんが、比べてみるとそれぞれ工夫されているところがわかり、面白い結果が出ました。
また、老舗と全国展開のコンビニの商品では何が違うのかを調べるうちに「意外なこと」に気が付いたので、そちらもお伝えしたいと思います。
形や色は似てるけど、思った以上に違う味やったえ!
1.両者の冷やしみたらしはこんなお菓子♪
しかし、「冷やしみたらし」っていつごろから販売されるようになったんでしょうか。小さい頃はなかったように思います。温暖化が進んできてみたらし団子が売れる時期が短くなり、「それじゃあ冷やしてみよう!」ということになったのかもしれませんね!
まぁ何にせよ、私も「冷やしみたらし」ができて良かった、と思う一人ではあります♪
では、それぞれのみたらしを見てみましょう。以下の説明は、そのあとに表にしてわかりやすく示しています。
①鳴海餅の冷やしみたらし
2025年に創業145年を迎える老舗の鳴海餅は、二条城から北へ徒歩で10分あまり、堀川下立売の角にあります。
数年前から冷やしみたらしを販売するようになり、とても人気の商品となっています。
入り口を入って左側にイートインがあるので、そちらで食べることもできますよ♪
早速買い求めてみましたよ。220円(税込み237円)でした。
直径が約7㎝、高さが6㎝の容器に入っています。
食べてからよく見たら、容器の表面は細かい三角形の凸凹になってキラキラしてましたね。タレが綺麗に見えるようにかな?
中を開けるとこんな感じ。みたらし団子は4個入っていました。
1個の大きさは3~3.5㎝くらいで、タレは器の8分目ほど入っています。
添付のスプーンで押してみるとふんわり柔らかです。
さて実食です。
外は柔らかでしたが、かみしめてみるとお餅感がすごい!決して固くはないけれど、さすがお餅屋さんのお菓子、しっかりしています。「ええお餅食べてるなぁ!」という歯ごたえでした。
タレは少し甘め、でも甘ったるいことはありません。ほんのり出汁の味もして、甘さ以外のうまみがありますね!
4個って少ないように思うかもしれませんが、食べてみると甘さもあるので結構お腹いっぱいになります。ちょうど良い加減の量だと思いました。
②セブンイレブンの冷やしみたらし
実は冷やしみたらしを買うのに3つも店舗を回りました。
どこも売り切れだったのです。これは売れ筋商品ということなんですね!
皆さんにはよくご存じの味なのかもしれませんが、実は私、初めて買ったので期待が余計に高まりました!
さて、やっと買えたみたらし。210円(税込み226円)です。
容器は鳴海餅より幅は大きく直径10.5㎝(内径8.5㎝)、高さは少し低くて4㎝でした。
中身はこんな感じ。みたらしは6個入ってました。
タレの中に沈んでますね。
団子の表面はやや固めです。添付のスプーンで1個取り出そうとすると、くっついていてなかなか離れませんでした。
はいこちらも実食…
こちらのだんごは鳴海屋とは反対で、外側は固めかなと思ったけど噛んでみるとフワッと柔らかかったです。
タレの味は、まず先におしょうゆの味がやってきます。そのあとにかすかな甘みが来る感じですね。
2.両者くらべてみると…
①価格
まず価格で見ると、鳴海餅のは税抜き220円、セブンイレブンは210円とほぼ同じです。しかしだんご1個当たりで計算すると鳴海餅は55円、セブンイレブンのは35円とセブンイレブンのほうがお手軽価格ですね。
鳴海餅のほうは手がかかっているのがわかるのでお値段的には仕方ないでしょうね。セブンイレブンはコンビニですから量産できますし、なにより多くの方に向けての販売ですからコスパは良いでしょう。
②タレ
写真ではわかりにくいのですが、タレの色味は鳴海餅のほうがやや薄めです。
味は鳴海餅は甘め、セブンイレブンはお醤油がかなり勝って塩分の強い味がします。
鳴海餅のほうが甘い理由として2つ考えられます。1つ目は京都全般にも言えることですが、京都は大体なんでも少し甘く味付けするということ。2つ目は、団子などは完全にスイーツとみなすので「お醤油味が勝ってはいけない」という前提で作られている、ということですね。
一方全国的に標準の味としては、団子は結構お腹が持つので食事代わりと考えられているかもしれません。よって、「食事」として甘みを控えお醤油の味を効かせているのではないかと思いました。
またタレの材料も濃度も少し違うようでした。セブンイレブンのほうがよく絡んでいましたね。片栗粉系の粉が多いのでしょうか。
どちらも出汁のお味はしましたが、私は圧倒的に鳴海餅のほうがよく効いていると思いました。「お醤油の味が少ない分出汁でうまみを出す」というのは、京料理にも通じる手法です。やはり京都の代表的なお餅屋さんとして、すばらしいお菓子を作っておられるということなのでしょう。
③だんごの食感
食感として両者には歯ごたえのある部分が違いました。
鳴海餅は外はふんわりで中にしっかりした部分があり、セブンイレブンのは外が少し固めだけれど、噛めばすっと嚙み切れるような感覚です。
これは鳴海餅のほうはさすがお餅屋さんだけあって、よいもち米が使われているからだと思います。まさにお餅を食べている感じです。でもそんなにベタベタもしないのは適度にうるち米も入っているからでしょう。お値段高めですが、しっかりお餅系のスイーツを食べていると思えます。
セブンイレブンのほうは原材料を見ると一番に「上新粉」と表記されています。上新粉はうるち米を粉にしたもので、だんごを作るときの主材料です。歯切れがよく、弾力のある団子ができます。鳴海餅よりうるち米系の比率が高いのでしょうね。
上記のポイントを表にまとめてみたのでご覧ください♪
比較内容 | 鳴海餅 | セブンイレブン |
---|---|---|
価格(税抜) | 220円 | 210円 |
価格(税抜)/個 | 55円 | 35円 |
だんごの数 | 4個 | 6個 |
容器の大きさ | 直径:約7㎝、高さ:6㎝ | 直径:10.5㎝(内径8.5㎝)、高さ:4㎝ |
だんごの大きさ | 3~3.5㎝ | 3~3.5㎝ |
団子の感触 | 外:柔らか 中:歯ごたえしっかり | 外:固め 中:ふんわり噛み切れる |
タレの色 | 薄め | 濃いめ |
タレの味 | 甘め(出汁が効く) | お醤油味強め(甘味抑え目) |
3.比べてみてわかった意外なこと
3つの側面から比較してきましたが、ここで意外なことに気が付きました。
それは、どちらが美味しいということではなく、食べる目的で選べばよいのではないか、ということです。
①鳴海餅を選ぶべき人
・京都の味を知りたい方
・甘い味が好きな方
・「だんご」というより「お餅」が食べたい方
・スイーツとして食べたい方
②セブンイレブンを選ぶべき人
・定番の味がいい方
・甘辛の味が好きな方(お醤油が勝つ)
・「みたらしだんご」なのだから「だんご」を食べたい方
・小腹が空いたときに食べたい方
要は、まずは「スイーツとして食べるか」「小腹を満たすために食べるか」で選べばいいと思うのです。
ホンマ大層に言うてかんにんえ。食べてるうちに気が付いたこと、どうしても書きたかったん笑
4.私のおすすめは!
しかし、京都推しの私としてはこれは言っておきたい!
京都以外から来られた方には、全力で 鳴海餅 さんをおすすめします!
京都を求めて来られる方にはこれ一択ですね。他のお店のもあるのですが、今回はこれを推させてもらいます!
ただ、京都に住んでるかたへは最初の「食べる目的別」基準でいいかもしれません。
しかし一つだけこれは?と思ったのは、京都の人にとってはセブンイレブンのほうはちょっと味が濃いかもしれない、ということ。全国共通のお味にしてあるとすれば、京都だけ薄め、甘めにするということはできないでしょう。それにターゲットが違えば、今のお味で良いということですから。。
京都に来てわざわざコンビニスイーツを買う必要はあらへんのかも。
5.鳴海餅本店アクセス
筆者推しの鳴海餅さんのアクセスです。
クリックして見てください。
店名 | 鳴海餅本店(のれん分けされた鳴海餅は別の会社です) |
住所 | 〒602-8138 京都市上京区下立売通堀川西入西橋詰町283番地 |
電話・FAX | TEL:075-841-3080 FAX:075-841-6070 |
営業時間 | 8:30~17:00 |
休業日 | 主に月曜日・他不定休あり |
遠くから来られる方は先にお電話必須です!
6.まとめ
今回は京都の老舗・鳴海餅本店さんとセブンイレブンの冷やしみたらしについて書きました。
まず鳴海餅・セブンイレブンそれぞれの冷やしみたらしについて説明、その後両者比べてみました。
すると、両者の冷やしみたらしのターゲットが違うのではないかと思える結果が出ました。スイーツとしてなら鳴海餅、食事代わりならセブンイレブンが良いのではないでしょうか、ということです。
しかし、京都に来て買うのならやはり鳴海餅さんのを買ってもらいたいと、京都市民の筆者は思った次第です。
ほぼ当たり前の内容を分析してしまったわけですが、ここまでお付き合いくださった読者の方には深くお礼申し上げますm(_ _)m
京都の和スイーツ好きの方の参考になれば嬉しいです。
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