みなさん、観光に来られた時など、京都市内で迷ったことはないですか?特に縦横碁盤の目の市内中心部は、どの通りも同じように見えて東西南北がわからなくなり、迷子になる人が多いと思います。
そこで今回は、京都人がよくする、市内中心部で東西南北を確実に知る方法をお伝えします。一般的には、太陽の向きから方角を知る方法もあるのですが、これもちょっと頭の片隅に入れておくと役に立つこともあるでしょう。
場所を探すとき、今はスマホを持っていないということはめったにないかもしれませんが、京都を楽しむ方法の1つとしても使えるよう、詳しくお伝えしたいと思います。
Google Mapを見ていても、目印の建物が見つからなかったりすると、
これ、間違っているのかなぁ、って思うこともあるよ。
東西南北がわかったら、建物も見つけやすうなるしねぇ。
市バスに乗るときも方角がわかると便利え。
最後のまとめのところに、市内の散策に役立つおまけの知恵を加えましたので、最後まで読んでくださいね♪
1.東西南北を知る方法
京都中心部は縦の通りが南北、横の通りが東西にほぼまっすぐに通っています。それぞれの通りは向こうの方まで見渡せるようになっています。ここではその「通りの向こうに見える景色」を見て判断していきますね。
①見回して山が無い方角が南
京都は北と東西が山に囲まれている盆地なので、南だけ山がありません。それを利用します。
まず四辻に立ちます。縦横の道は大体東西と南北に向かって走っているので、ほぼ東西南北が見える形になります。そこで四方の遠くを見てみると、山が見える方角があります。
ここのポイントは「山が見える」ということです。「山が見えない」のを確認するのは難しいのです。今は市街地はビルがあるので、南の方向も見通しが遮られており、それが山なのか判別しにくいからです。
ただ、「山である」と判断するほうが簡単です。今のところは山の方がビルよりうんと高く見えますし、山は意外と近くに見えるので、そこそこ目が良ければはっきりと山だとわかるからです。
なので消去法で、見えるのが山だとわかる方角は南ではないということになります。
②広い通りと狭い通りでやってみた。
広い狭い、ゆがんだ通りなど、いろんな通りがあるので、一概には言えないですが、代表して広い通りと狭い通りを例にやってみました。
・広い通り(堀川通・下立売通)
はじめに、遠くまで見渡しやすい広い通りで見てみましょう。今回はサンプルとして堀川通と下立売通の交差点で行いました。
まず東西を見てみます。写っているのは下立売通です。
どちらも明らかに山があるのがわかりますね。
では南北を見てみましょう。写っているのは堀川通です。
北も見えていますね。北山連峰はなだらかで、どこからも見える山々です。
ところが南には山が見えません。ビルばかりです。ちょっと角度も悪かったのですが、実は堀川通は四条通あたりまで来ると東に少しゆがんで通っているので、それ以上南は見えないのです。
ということで、この「南」の方向のみ山は見えませんでした。
・狭い通り(椹木町通・新町通)
サンプルは京都府庁近くの椹木町通と新町通の交差点です。
東西を見てみます。写っているのは椹木町通です。
狭い通りですが、山があるのがわかります。西のほうは電線が多く写真では写りにくかったものの、肉眼でははっきり山を確認することができました。
次は南北。写っているのは新町通です。
北ははっきりと山があるのがわかりますが、南には山影がありません。何か見えているけれども、山ほど高くはないですね。実際、肉眼で見れば山でないのはよくわかり、その方角が南だということがわかります。
京都は三方を山に囲まれ、南に水がある(昔、巨椋池という大きな池がありました)「四神相応の地」として都に選ばれました。是非、京都を巡るときは、山を見ながらそれを実感していただきたいですね。
昔は高い建物がなかったさかい、三方の山々がつながって見えたんやけどなぁ。
2.その他の方角を知る方法
京都市内中心部の北半分では、以下のような方法も使うことができます。
①大文字山があるのが東。
山を見回して(右)大文字山*を探します。大文字山のあるほうが東です。大文字山の大の字は少し北を向いているので、北大路通(もっと北でもOK)~丸太町通あたりまでの北部でないとよく見えず、南部では使えない方法です。
*「大文字山・大文字」というと普通は「右」のものを指すので、以後「右」は付けません。
大の字が見えないことも多いですが、その場合はその周りの草が刈ってある三角の部分を目当てに探してみてください。
冬は雪が降れば、とってもきれいに三角形に積もりますよ♪
②比叡山のある方向が東北。
比叡山は市内から見える山としては2番目に高い山(848m)で、京都市の北東になります。京都のシンボルの山の1つであり、京都に住んでいる人はこれを目印にしています。
北東は平安京の鬼門にあたるので、比叡山には方除けとして延暦寺が置かれたことでも有名です。
これは鴨川べりから撮った写真なのですが、実際は写真で見るより大きく見えるのですぐに見つかるでしょう♪
四条あたりのビル街の中心地からはちょっと難しいかもしれませんが、ビルの上部階からは良く見えます。また、堀川通より西では結構遠くからでも見えますよ!
3.まとめと「おまけ」
今までの説明のまとめと、方角だけでなく、迷子にならないための知恵をおまけとして置いておきますね。
①東西南北を知る方法
・見回して山が無い方角が南
山がないのを確認するのが難しいので、山がある方角を探し、消去法で南を見つけた方がいいです。
・広い通り(堀川通・下立売通)・狭い通り(椹木町通・新町通)での実証
通りが広くても狭くても山は良く見えます。是非実際に探してみてください。
②その他の方角を知る方法(京都市内北部で有効)
・大文字山があるのが東
北部(北区の市街地・上京区あたり)では大体大文字山がよく見えます。大の字も見えるので、字の形もわかれば左大文字と見分けてみてください。
・比叡山のあるのが北東
比叡山は市内から見える2番目に高い山です。とてもよく見えてわかりやすいので、京都の人間は北東の目印にしています。鬼門の方角なので延暦寺をはじめ、方除けの寺社もあったりするので調べてみるのも面白いですよ。
③おまけ
最後に、京都市内中心部で楽しみながらも迷子にならないようにする、ちょっとした知恵など書いておきます。
・今いる場所から目的地までの道を尋ねる時、通り名と越す道の本数を聞く。
住民に今いる場所からの道を尋ねる時、今の通りの名前や目的地まで何筋通りを越えないといけないかを聞いておきましょう。
中心部に住んでいる京都市民の頭の中には、縦横の通りを座標にした図が入っています。なのでこんな感じの返事をするでしょう。
ここから東へ3筋行って、2筋北に上がったらあります。
返事の仕方は絶対そうだとは言えませんが、数を数えながら歩くのも京都散策の醍醐味なので、こんな楽しみ方もしてほしいなぁと思います。
・迷いそうになったら広い道路に出る。
市内は大体等間隔に南北に大きな通りが通っています。一番近そうな広い道路が何通りかを見て、東西南北を確認、次は広い道路が縦なら交差している横の通りの名前を見ます。大きな通りには、ほぼ交差する通りの名前の標識があるので確認できます。
また誰かに尋ねる時も、大きな通りなら答える人も説明しやすいでしょう。細い通りはなかなか名前がわからないのです。
・市バスの停留所は、やっぱり住民に聞くのが一番。
京都市のメイン交通機関は京都市バスです。どこでも行ける代わりに路線はとってもややこしいので、慣れてない方には難関の乗り物となっています。バスがどこへ行くのか、どこを通るか、どこで乗り換えるか、どのバスに乗るのが一番安くて早いかなど、やっぱりいつも市バスを使っている住民に聞くのが一番早いですね♪反対側に乗ってしまうととんでもなく時間がかかってしまいますから!
京都市内を移動するのには、高低差とともに東西南北を知るのはとても大事なことです。是非スムーズな移動のため、また楽しく散策してもらうため、この記事が参考になると嬉しいです。
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