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昔の京都のリアルな姿がわかる場所 ~京都市考古資料館~

京都市考古学資料館の表 光る君へ
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オーバーツーリズムに悩む京都観光ですが、みなさんも人の多さに疲れてしまうのではないでしょうか。そしてどの場所の展示も似たり寄ったりな感じがしませんか?

まなぶ君
まなぶ君

う~ん、平安京と言えばどこも装束の美しさや寝殿造、みたいな感じがあって、それらを押し合いへし合いして見てるよね。どこか静かなところで、京都の地元ならではのものを展示してる場所はないのかな?

あや
あや

昔の京都にあった本物の遺物が、そのまま目の前で見られるところがあるえ!

ものすご珍しい当時のものがいっぱい展示されてるのに、いつも静かなところなん。

このサイトでは京都に先祖から300年以上住み続けている「あや」が、「ほんまもんの京都」「知ってると得する情報」「京都人でもほとんど知らないトリビア的情報」をお伝えしています。どんどん増やしていきますので、ぜひブックマークよろしくお願いします!

京都には名所と呼ばれる寺社や繁華街はものすごい数の人がいる一方、地元民も良く知らないようないている施設があったりします。

そこで今回は、とても見る値打ちのあるところなのに空いている、そんなレアな資料館「京都市考古資料館」をご紹介します。見どころを5点にまとめてみたので、次の章から解説しましょう。

1.京都市考古資料館の見どころ5点♪

先に館内の各階展示の様子を知りたい方はこちらへ。

京都市考古資料館(以下「考古資料館」)は京都市立の施設です。見た目は古くて、何があるのだろう?というような、とっても地味な建物ですが、実は他にはないお得な点があるのです。特に歴史や考古学が好きな方には是非行っていただきたいですね!

そのポイントはこの5点♪

無料である。
②京都の昔の時代を実感できる。
③周辺が昔の平安京ゆかりの地である。
④考古資料館の土地と建物にも変遷の歴史が!
サイトも貴重な資料がたくさん!

では1つずつ説明していきましょう。

①無料である。

文字通りですが京都市の公的資料館なので、すべて無料で見ることができます。他には絶対ない資料や遺物があり、無料なのは本当にお得です!

②京都の昔の時代を実感できる。

ここではとにかく「実感」できる展示になっています!

展示されているものは、すべて京都で発掘され出土したものです。この考古資料館の後ろには、京都市のすべての発掘を行っている財団法人京都市埋蔵文化財研究所(以下「埋文研」)があり、その成果を考古資料館で展示しているのです。

埋文研は後ろの建物

なので展示物は、「昔の京都の人たちがどんな生活をしていたか」を実感できる埋蔵物ばかりなんです♪

平安時代の現存史跡はゼロに等しいので、こういう生の遺物に触れられる場所はとっても貴重です!こんな展示を普段からしているところは他にはありません。大きな美術館などで行われる展示でもなかなか無いと思いますよ!

あや
あや

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が放送されてた年も、ドラマに出てきたのと同じような

実際に使った「呪いの人形(ひとがた)」の実物が展示されてたの見たえ!

ホンマにこれで呪てたんやなぁと思たら怖かったわ~

各階の展示については、次の章で解説しますね。

③周辺が昔の平安京ゆかりの地である。

考古資料館がある場所は平安京大内裏のすぐ北に位置しています。また、平安時代の初期、このあたりは清和天皇第6皇子、貞純親王の邸宅でした。桃の園が広がっていたため桃園親王と呼ばれたそうです。

その後いろんな貴族の邸宅となりました。平安時代半ば、藤原道長・紫式部の時代には後に三蹟の一人と言われた藤原行成が住み、その一部を世尊寺としたそうです。行成は書道の世尊寺流の祖なので、この場所が発祥ということですね。

その世尊寺は、考古資料館のすぐ北にあったようです。また、この地域の小学校元学区を「桃薗(とうえん)」と言うのは、桃園があったことに由来しています。

近くの首途八幡宮では春に美しい枝垂れ桃が咲くので、昔をしのんで見るのもいいですね。

④考古資料館の土地と建物にも変遷の歴史が!

さらに安土桃山時代には、ここに織田信長が葬られたという阿弥陀寺がありました。のちに、埋葬の跡に織田稲荷が祀られましたが(考古資料館東の細い道の中)、今はこの地の氏神・今宮神社境内へ遷されています。

あや
あや

織田稲荷があった元伊佐町のみなさんは、今でも織田稲荷のお祭の日には

今宮さんへ行ってお詣りしたはるのんえ。

その後大正3年(1914年)、ここに西陣織物館が竣工します。この地は西陣の中心部で、すぐ横にある今出川大宮の辻は、西陣織のお商売で毎日千両が動いたということから「千両が辻」と呼ばれていました。

昔の西陣織物館
大正11年 西陣織物同業組合の表彰式が行われた時の写真。
西陣碑
西陣発祥の地として碑が建てられています。

その後1976年(昭和51年)に西陣織物館は堀川今出川下ルに引っ越して西陣織会館になり、跡地に埋文研ができ、その3年後、1979年(昭和54年)に考古資料館が開設されたのでした。

常に京都の文化の中心地にあった場所に、その歴史を眺められる施設ができたんですね!

⑤サイトも貴重な資料がたくさん!

また考古資料館のサイトには、たくさんの貴重な情報が掲載されているので活用価値が大です!いくつかピックアップしてみました。

1)サイトマップ

サイトマップは文字だけの簡単なものですが、1つずつクリックしてみたいほど面白いコンテンツが満載です。リンク先には重要な資料がたくさんあるので、京都の考古学に興味のある方なら必見です!

2)リーフレット京都

サイトマップにあるコンテンツの1つです。「リーフレット京都」には考古学を知らなくても楽しめるエッセイ風の文章があったり、キャラクターがわかりやすく説明してくれるものもあります。

あや
あや

私は特に、1993年10月発行の「考古資料館周辺散策」が良かったわ♪

3)平安宮散策マップ

タブ別に「平安宮復元図」や「源氏物語にゆかりの地説明板」の紹介があり、考古資料館周辺にある平安時代の史跡がわかります。

また、仁丹の看板(住所表示板)や石碑などを探すときにも便利で、ここを見終わったあとに散策するのに非常に役立ちます。一般的な観光案内図にはここまで詳しく書かれていないので、とても重宝すると思います!

それぞれのタブの地図は印刷用のタブでプリントできますよ♪

4)京都市埋蔵文化財研究所

埋文研の建物が考古資料館にくっついているように、サイトも一応名前は別になっていますが1つにつながっています。

しかし両方のトップページを見比べてみると、埋文研のサイトには考古学の発掘に関わるリンクが多いですね。考古学に興味のある方はこちらをメインにしてご覧になるといいかもしれません。

5)京都アスニーでの文化財講座 → アスニー京都学講座

これは考古資料館のサイトではありませんが、職員の方が講師になっている講座が掲載されています。

講座の開催場所は京都アスニー(=京都市生涯学習センター)です。講座は予約不要・先着順、しかも無料で行われていますよ!

*アスニーには京都市平安京創生館という平安京を学べるコーナーがあります。詳しくは↓で!

2.貴重な展示資料!

①1階:その時期の特別展示コーナー

1)兵馬俑と鴟尾しびがお出迎え

入り口入ってすぐ右に、大きな兵馬俑1体と鴟尾があり、まずこれでビックリします(笑)

兵馬俑レプリカと鴟尾

兵馬俑は「大阪城築城400年まつり」に展示されていたのを譲ってもらったそうです。この時本物の兵馬俑が見学客に破損され、こちらの職員さんが修理に関わられたお礼にもらわれたとか。

また、鴟尾は太政官跡から出土したものに足りない部分を足して、完全な形にしてあります。このレプリカは京都市平安京創生館にあって、それはそれで美しいのですが、こちらは間違いなく1200年前に平安京の建物の屋根に付いていたもの。入り口で一気にタイムスリップしたような気分になれますよ!

2)資料コーナー

左にはパンフレットの棚が設置されており、棚の向こうにはどなたでも利用できる資料コーナーがあります。職員の方はこちらにおられるので、質問などはこちらでできますよ!

資料室
パンフレット置き場
あや
あや

職員のみなさんは、とっても親切でなんでも答えてくれやはるえ。

展示でわからへんことは、展示場に立ってるボランティアさんが

やはらへんかったら、ここで聞くとええと思うわ。

3)企画陳列コーナー
企画陳列

正面まっすぐ進んで左側の小コーナーには企画陳列がされてて、ミニ展示の形がとられています。

少ない展示物ですが、大変貴重な史料が何気なく置いてあったりするので、考古学や歴史学を勉強している方は驚かれるのではないでしょうか。

4)メインの特別展示コーナー

玄関入って真正面と、企画陳列の反対側へ右に曲がると特別展示が催されています。考古資料館としてはこれがメインの展示となります。期間は3,4か月にわたるものが多いですが、時々閉館しているときもあるので、開催時期をしっかりチェックしてから行きましょう。

*2024年2月~6月の企画陳列・特別展示についてはこちら↓

②2階:京都の歴史をすべて見られる常設展

2階展示室への階段

雰囲気ある階段を上っていくと、発掘品がお出迎えしてくれます。

常設展は展示が変わらないから面白くない、と思われそうですが、歴史好きの人には情報多すぎな展示に驚きます!

2階展示室1
2階展示室2

2階展示品の中には、実際に触っても良いものがあり、さらに歴史を実感できるようになっています。古代の出土物などめったに触れないのでこれはレアです!

触れる遺物1
使用前使用後のアルコールは必須!
触れる遺物2
これも触っていいんですよ~♪

展示物の中には今でも使えそうな出土物や、とってもおしゃれなお皿もありました!皆さんも見つけてみてください!

今でも使えそうな緑釉の食器
今日買ってきた、って言ってもわからないほどのきれいさ!
おしゃれな耳皿
ギザギザがモダンなお皿たち。
2階パンフレット棚

2階には、古代の京都について解説されているパンフレットもあります。

英語・スペイン語・中国語・韓国語など、多くの言語に翻訳されたものが揃っていて、公立の資料館にしてはなかなかなものだなと思うのでした♪

あや
あや

ていうことは、海外からも来る人があるてこと?ここは知る人ぞ知る施設なんかなぁ!

③3階:会議室と旧貴賓室。

3階には考古資料館の前身である西陣織物館の旧貴賓室がありますが、通常は入れません。不定期にある特別展示・講演会・コンサート時に公開されます。

3階への階段

部屋の中には、壁紙として西陣織の織地が貼られています。西陣織の本拠地だけあって、内装が素晴らしいんです♪

あや
あや

京都市のある委員をしてたとき貴賓室に入ったけど、大正時代の雰囲気が残っててよかったわ♪

3.アクセス

住所〒602-8435 京都市上京区今出川通大宮東入元伊佐町265−1
京都市バス:今出川大宮バス停で降車

地下鉄烏丸線今出川駅からはゆっくり歩いて15分。市バス59・201・203に乗れば7,8分で着きます。
電話075-432-3245
ウェブサイトhttps://www.kyoto-arc.or.jp/museum/
開館日時間火曜~日曜:9:00~17:00 (入館は午後4時30分まで)
休館日月曜日(月曜が祝日または振替休日の場合は翌日)・年末年始12月28日~1月3日
駐車場駐輪場駐車場は無し。駐輪は建物の前に短時間ならいけそう(中で聞いてください)。

その他の情報についてはこちらをご参考に。

4.まとめ

今回はとても見る値打ちのあるところなのに空いている、そんなレアな資料館「京都市考古資料館」をご紹介しました。まとめると、

1.まず京都市考古資料館の見どころ5点を解説しました。
  ①市の施設なので無料である。
  ②実際の出土物を展示しているので京都の昔の時代を実感できる。
  ③大内裏にも近いなど、昔の平安京ゆかりの地である。 
  ④信長・西陣織にもゆかりが深く、考古資料館の土地と建物にも変遷の歴史がありました。
  ⑤サイトも面白く、サイトマップから見られるページには貴重な資料がたくさん詰まっています。

2.1階~3階の展示の様子をご紹介しました。
  ①1階:その時期の特別展示コーナー
  ②2階:京都の歴史をすべて見られる常設展
  ③3階:会議室と旧貴賓室(イベント時のみ)。
  を見ることができます。

こんなにたくさんの見るべきものがあるのに、こんなに空いているのが不思議なくらいです。京都観光や京都の歴史を知りたい時には是非行っていただきたいです。

京都が好きな方のお役に立てたら嬉しいです。このような場所をまたご紹介したいと思います!

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