紅葉の季節、京都は紅葉の美しい寺社がとても多いですよね。でも逆に、多すぎてどこへ行ったらいいか困るなぁと思っている人もいるはずです。そこで今回は意外と静かで美しく、2024年の大河ドラマ「光る君へ」で話題のお寺・廬山寺を紹介したいと思います。
「源氏物語」はここで書かはったんえ!
一生のうち、ほとんどここにやはったて聞いてます。
廬山寺は、「光る君へ」のヒロイン・紫式部が住んでいた邸宅跡ということで有名です。廬山寺の歴史や、人に説明するときに覚えておきたい話はこちらで予習しておいてくださいね。
1.元三大師堂~拝観入り口
さて門から入りましょう。
門の外から見えるのが、お寺を開いた元三大師堂です。でも今はここからは入れませんよ。
毎月3日には護摩を焚かれるので、元三大師について知りたい方は3日に行かれるとよいでしょう♪
前の寺町通は結構車が多く通るのですが、中に入るととても静かで落ち着いた雰囲気に包まれます。南隣は京都府立医科大学のキャンパスであり、一筋東は河原町通というロケーションながら、この静けさを保てるのは大変貴重な場所と言えますね。
さて、まず門を入って右に曲がります。その右手には大きな銀杏があるのですが、今回は止まらず左へ行きます。拝観の入り口に行くには、そのまままっすぐに進み、行き当たったとこの左にあります。
「廬山寺のイチョウ」はGoogle Mapsに掲載されているのですが、イチョウと書かれていながら掲載写真はほとんど紅葉です(笑)その紅葉の様子もわかるといいかなと思うので、一応マップ貼っておきますね。
2.御陵入り口~慶光(きょうこう)天皇陵
上の写真の柵の間を通っていくと、左に拝観の入り口が見えます。が、今回は右の御陵への道を進みます。
細い通りなので見落としそうですが、ここは拝観料なしで見られる紅葉の道ですから、忘れず見ておきましょうね。
参道に入りまっすぐ行った先にはお墓がありますが、左に曲がると突き当りに慶光天皇陵があります。そこまで行ってみましょう。
道に入り、突き当たって御陵を見ようと左を向くと、そこには…
美しい紅葉がひっそりと並んでいました。人も本当に少なく癒されます。
慶光天皇は今上天皇(今の天皇)の直系の先祖である光格天皇のお父さんですが、生前は閑院宮典仁親王(かんいんのみやすけひとしんのう)と呼ばれていました。つまり天皇ではなかったのです。
光格天皇は子どものいなかった後桃園天皇の跡を継いで天皇になられたのでした。
光格天皇はお父さんに天皇の尊号をあげたかったのですが叶わず、のちに光格天皇のひ孫である明治天皇が贈られたとのことです(歴代天皇としては数えられません)。
御陵はとても大事にお祀りされているのが見て取れました。紅葉並木の右向こうには檀家さんのお墓があり、その向こうには秀吉が築いたお土居が続いています。
お土居を見るには、お墓の中に入らないといけないので、くれぐれも仏様に失礼のないように進んでくださいね。
お土居の上にもお墓があるみたいやし、
行く方はホンマに気を付けとおくりゃっしゃ!
3.元三大師堂
紅葉を堪能したらいよいよ本堂へ入っていきます。
今回は特別拝観なので、お寺入り口の外で拝観料を払い、右にある本堂へ向かおうと思ったら、今回はまず特別拝観の元三大師堂へ行ってくださいと言われました。
大師堂は入って普段ある受付を通り左に行くとあります。元三大師の像や鬼大師など、サイトの写真だけで見ていたものを目の前で見ることができました。(拝観料はいつもの500円ではなく、1,000円となります。)
しかし、このお堂は特別拝観の時だけしか見られないかというとそうではなく、毎月3日に開かれているということなので、気になる方は日を合わせて行かれるといいですね。
また、そこには「今上皇帝」の文字が入ったお札があり、ちょっと気になったので聞いてみました。するとそれは、常に「今」おられる天皇陛下の諸事ご安泰を祈願するお札(私の表現です)なのだそうです。でもこれは、天皇のお位牌がある格の高い門跡寺院にはあるそうなので、他のお寺でも見つけてみたいです。
この非公開文化財の特別拝観は毎年ありますが、公開されるお寺は毎年少しずつ変わり、日程も数日からひと月までといろいろです。廬山寺が来年以降されるかどうかは未定ですが、大河ドラマもありますから、2024年も何らかの企画があるのではないでしょうか!
4.本堂へ…正親町天皇の宸翰女房奉書はまた見たい!
そしてお道具や古文書、屏風などが展示されている本堂へ。私の今回一番感動したのは、正親町天皇が書かれた宸翰(直筆の書)女房奉書でした。
展示物は普段から写真撮影が禁止されているのでお見せできませんが、信長が比叡山焼き討ちをした時に、廬山寺も焼かれそうになったのを正親町天皇が書かれた直筆のお手紙で救われたという、その手紙がすばらしかったです。
ここでいう「女房奉書」というのは、女房のように仮名交じり文を使って書く手紙のことです。普段公務では漢文で書かれている天皇が、廬山寺を助けるようにというお願い文を非公式な文章として「女房」風に書かれたんですね。
きっちり漢文で書いてしまうと公式な命令となるので、信長に対して角が立たぬよう、仮名交じり文で書かれたということです。その配慮の文章が絶妙で、説明していただいたご住職の言葉に思わず大きくうなずいてしまったのでした。
詳しくはこちらで説明しています。
展示物の前には「源氏庭」が広がります。紅葉がかなり色づき、本当に美しいです。11月中旬~12月初旬くらいまでは楽しめるのではないでしょうか。
質素な雰囲気の中に格の高さをとても感じました。小さな宝石箱のようなお寺。また伺いたいです!
美しい景色とお話がいっぱい詰まったお寺なんえ。
私の大好きなお寺なん!
最後に御朱印をいただきました。今回は「弥陀三尊」です!
今年限定の御朱印はこちらで。
他に静かに紅葉を見られる寺社についてはこちらで。
コメント